専門とする医療

長寿医療
 あわら病院は、地域のそれぞれの医療・福祉機関が効率よく各自の役割を果たしながら密に連携し、あたかも一つの大きな医療福祉機関が地域内で医療・福祉サービスをカバーする地域完結型長寿医療・福祉ネットワークの設立・運営に励んでいます。そのため、当院では坂井地区医師会と連携し市内の診療所からの慢性期急性増悪患者さまの速やかな受入や、特別養護老人ホームの嘱託医に対する診療応援、あるいは難病疾患や過疎地域の方への訪問診療・訪問看護など在宅患者と在宅医を支援することにより、地域に密着した医療福祉ネットワークを形成して「外来診療から入院診療へ」と病院機能を分化させています。また、地域の高齢者医療における課題について検討するために関係医療福祉機関と共に高齢者医療研究会を定期的に開催しています。
対象疾患
  1. 誤嚥性肺炎
  1. 嚥下・栄養障害
  1. 意識消失発作
心臓疾患の急性増悪
特色
  1. 誤嚥性肺炎の診療にこだわる

 当院は、長寿医療のなかでも肺炎診療に特に力を入れています。肺炎は75歳以上の死亡原因の第3位にランクされる重篤な疾患です。骨折や脳血管障害とならび高齢者でみられる入院の代表疾患でもありますが、高齢者の方は、加齢に伴う嚥下、歩行、認知などの身体機能や免疫能の低下、あるいは基礎疾患の存在や合併症発症などのため、入院期間が長期化してしまう傾向にあります。当院では国立病院機構に移行して以来、10年間にわたりより質の高い肺炎治療システムを築き上げて来ました。

 治療の面では、科学的根拠に基づく充分な抗生剤の使用、理学療法士による呼吸器リハビリテーションの充実、栄養サポートチームの早期からの介入による栄養管理により、速やかに快方へ導くことを念頭にいれるとともに、リハビリスタッフと病棟スタッフの連携によりICF(国際生活機能分類)に準じた評価と退院計画をもとに早期の離床、早期の退院を目指しています。また、予防の面では、言語聴覚士による嚥下訓練の充実、誤嚥予防の薬剤の使用、ワクチン(インフルエンザ・肺炎球菌)接種の推奨を行っています。さらに、院内の感染対策チームが中心となり、抗生剤のサイクリングローテーション、適正な抗生剤の使用チェックを徹底し、耐性菌の発生を予防しています。
  1. 在宅療養を支援する

 当院では患者さまが入院された時点から退院支援看護師が関わります。退院支援看護師はご家族をはじめ、患者さまに関係する医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・栄養士・ケアマネージャー・介護サービス者などと密にコミュニケーションをとり、情報・意見の交換をしながら、患者さまが退院後もよりよい療養生活が送れるように援助していきます。毎週行われる退院支援カンファレンスではICF(国際生活機能分類)に準じて医療上の問題だけでなく介護・福祉などの問題まで総合的に評価し、医学的なアプローチに加え福祉的なアプローチも十分に活用して充実した在宅療養ができるように努めています。

 入院前と退院後の患者さんの状態が大きく変わる場合などは、退院前の外出・外泊等を積極的に行い、ご家族、患者さまに安心していただけるよう、在宅療養生活を体験していただいています。退院直後の病状不安定な時期には訪問看護も行っており、退院後の病状悪化を予防や早期発見に努めています。ご自宅に帰られてからも、通院困難な患者さまには訪問診療でも治療継続も行っており、近隣薬局と連携し在宅での薬剤指導も可能です。
  1. 終末期医療を考える

 当院が特に大切にしているのは、家族でも医療者でもなく患者さま本人の意思による決定です。患者さま本人の意思が確認できない場合にも、『ご家族による患者さまの意思の推定』、『ご家族と医療者との話し合い』等いずれの方法でも、『患者さまにとっての最善の治療方針』が何かを十分に検討し、高齢者の特性に配慮した過少でも過剰でもない適切な医療を選択し、残された期間の生活の質(QOL)を大切にすることを目指しています。

 当院では終末期にこそ最も人間としての尊厳を護りたいと思い。(1)患者さまご本人の意思に沿うように、(2)苦痛を和らげるように、(3)そして最期まで生命を大切にするように、総合的なケアを提供したいと考え、当院倫理委員会がリビングウィル宣言書を作成しています。また病棟では毎週『QOLカンファレンス』を行い、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士あるいは臨床心理士がより良い医療の提供に努めています。
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